1 折り畳み傘 つゆ先と石突き


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プロローグ


 まず、壊れた折りたたみ傘があります。
 不具合は2箇所。一つは、傘の中心部、折りたたみでない傘ならば、尖っていて、地面を突く部分。折り畳み傘なのでここは凸ガタの小さなプラスチックの部品なのですが、真っ二つに割れて落ちてなくなってしまいました。
 一応傘としてはさせますが、雨が激しいと、ここの部分から雨水が浸入して中棒を伝って落ちてきます。これは部品さえあれば、ネジ式なので取り付けるだけで終わりそうです。
 もう1箇所。傘の骨の先に傘の布が取り付けられていますが、ここが骨から外れて布がピランピランします。この不具合はよく起きます。
 骨が折れたりはしていないので、普通に傘を差したり折りたたんだりできます。
 修理に出すと、1箇所500円とか取られるようです。2箇所で千円とか?
 安物の傘なので、多分買い替えても同じくらい? 
 というように、昭和の高度成長前までは、みんな物を大事に大事に修理して使っていましたが、その後、物の値段が下がってきたのか、人件費が上がってきたのか、修理するより買い替えた方がやすくなるという不思議な時代がやって来て、今でも続いてますね。
 なので、捨てるという選択肢になっちゃうのですが、ここでちょっと抵抗して、修理を目指してみました。
 ネットで調べると傘修理セットとかいう物が数百円くらいで売っていました。色々なセットがあって中身も色々ですが、折れた骨を修理する趣旨の物が多いようでした。
 自分が必要としている物が何なのか、まず用語から調べると、傘の中心部の地面に突き刺す形になる部分の突起は、「石突き」といい、傘の骨と傘の布をつないでいる部分は「つゆ先」というのだそうです。
 ここで、折り畳み傘とそうでない傘との違いがあります。
 普通の傘の石突きは長いものが多く、折り畳み傘のは短い。つゆ先は、普通の傘はつゆ先の部品があってそこに布を縫い付け、そのあとつゆ先を骨の先に差し込んで固定する、という形なのに対し、折り畳み傘は、そういう別立ての部品はなくて、傘の骨の先の方に穴が空いていてそこに直接布を縫い付ける形になっています。
 さて下調べはできました。この傘に必要なのは、折り畳み傘用の石突きと、つゆ先に布を縫い付けるための糸と針。傘を良く見るとその部分は、以前糸が通っていただけあって何か布地がスカスカになっています。なので、傘の布が裂けたときの補強シートというものも入っている修理キットを買いました。
 もう1本、折りたたみでない傘の修理も予定していて、そちらはつゆ先が紛失してしまっているので、結局つゆ先も購入します。
 100円ショップ(セリア)にも傘修理セットを売っているという情報もありましたが、わたしの周りはダイソーだらけで、ダイソーでは見つけられなかったので、amazonで「傘修理セット」で検索してポチりました。
 これは、石突きが折り畳み傘用の方だけが入っているセットでした。

石突きの取り付け

 これは簡単で、修理セットの折り畳み傘用の石突きを傘中央の石突きが着いていた部分のネジにネジネジと回しながら取り付けるだけ。
 傘の布が黒で、セットの石突きも黒でしたので、丁度良かったです。ネジもぴったり合って、これは元の物と変わらないように見えました。(実際に元々あった物よりは少し長くなったが問題なし)

つゆ先への布の取り付け

 これは調査を要しました。結局以下の二つのサイトを参照しました。
  初めのページはTOKYU HANDSのサイトで、2番目は個人サイトではないのですが、料理や家事の情報サイトのようでした。
 まず、使用する糸についてですが、色々なサイトを見た結果、本来は耐水性の糸を使うべきだが、普通の糸でもいい、ミシン糸を二重にして使う、蝋引きの糸を使う、などの情報がありました。
 次に、糸の太さ。これは全く情報がありませんでした。困った。
 結局、ダイソーにて「ボタン留め用」の糸を買ってきました。白2巻きと黒1巻き。#20というのが太さなのでしょうか。ほかにミシン糸とか補修用糸(これは#30と欠書いてあった)が有りました。どうも#20の方が#30より太そうだったので、#20にしました。ボタン付け用なら多分丈夫なので大丈夫。
 そのまま使う気でしたが、蝋引きと書いてあるのもあったので、調べもせずに、普通のロウソクの底で、延ばした糸の上をずり〜っとなぞり、ちょっと糸の位置を変えてずりーとなぞり、と何度かやってみました。後で調べたら、そのあとドライヤーで少し溶かして糸に染み込ませて、さらに冷ましたあと余分な蝋を拭き取るらしいです。しませんでした、後の祭りです。
 ハリも良く分からなくて、ダイソーで補修用針セットというのを買ってきました。小さい針からぶっとい針まで30種類くらいのセット。これに糸通し道具が入っており、早速活躍しました。
 さて、縫い付け手順です。
 折りたたみ傘なので、折りたたみます。そうすると布が緩んで自由がききやすくなります。
 前に書きましたが、元々糸で止めてあったあたりの布が結構スカスカ(穴が空いたあとまた少し戻った感じ)になっていたので、弱っていると思い、傘の布裂け修理のシールを貼りました。貼りづらかったので表から貼りましたが、裏から貼るべきでした。表から見るとテカテカ光っています。まあ一々見て気にする人もいないでしょうけど。あ、内側からだと雨が侵入しやすくなるのかなぁ。まあ外から貼ったのでその点は大丈夫。
 そのあと、骨は布の裏側なので、布の表側の方から、布の裏側の骨を、布ごとつまむ感じで持ち、骨の穴が空いているところのすぐ下まで布をずり上げ、固定。
 位置は大体そこ。
 針に糸を通し、糸の片側は玉止めを作ります。布の裏側、フチから5mmくらいの所からまず刺して@、表に針を出し、布のフチから2〜3mmの所、元々取り付けてあったあとがあるあたりで針を刺して裏へ戻すA。

 B骨の穴を通し、骨の位置から見て先ほど針を刺した位置とは逆の所からC針を刺して表へ出す。
 布をつまんでいるその部分を骨に固定するような感じで骨の部分を越えて先ほど表から裏へ針を刺した付近でまた針を表から裏へ刺す。
 あとは同様に、B骨の穴を通し、と、要するに骨の周りを、今回は時計回りに、表から裏、そこから穴を通ってその先裏から表、というようにグルグル回してみました。
 しっかり付いた感じがしたら、終了して、いわゆる玉留め。もちろん、裏側で、です。
 それで、傘を開いてみました。
 おお〜、しっかりできてる。ぱっと見、他の骨と区別付かない。
 また糸切れるまでこれで行こう。
 やってみたらすごく簡単でした。\(^o^)/

 次回は、折りたたみでない傘の、つゆ先が無くなっちゃっている傘の修理にチャレンジしてみたいと思います。



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